メルマガクイズの回答
メールマガジン
2021年10月号の答え
-
■■ 商標権と著作権 ■■(古野裕介)
-
日本では知的財産権制度が確立されており、様々な方法で知的財産権が保護されます。
この知的財産権には、商標権と著作権とが含まれています。商標権および著作権は、実用新案権や、意匠権、育成者権等と違い、普段生活していて耳にすることも多いと思いますが、これらの権利の違いというのはあまり知られていないのではないかと思います。
そこで今回は、商標権と著作権との違いに関するクイズを出したいと思います。このクイズが商標権および著作権に興味を持つきっかけとなれば幸いです。
【問題】
以下の文章の内容は正しいか。〇か×で答えよ。
-
(1) 商標権および著作権は共に、特許庁、その他の公的機関により権利を認めてもらって初めて発生する。
-
(2) 有名画家が描いた絵画そのものは、商標権としても著作権としても認められる。
-
(3) 商標権および著作権は共に、永続的に発生させ続けることができる。
-
(4) 三次元的な立体物に著作権が発生することはあり得るが、立体物に商標権が発生することはない。
-
■■【 答え 】全て× ■■
以下設問ごとに回答します。
-
(1) ×
商標権は、特許庁に権利の発生を認めてもらうことによって発生します。一方で、著作権は、創作物を創作した時点で自動で発生し、特許庁、その他の公的機関に権利の発生を認めてもらう必要はありません。
-
(2) ×
絵画そのものは、著作権の対象となり得ますが、商標権の対象とはなりません。なお著作権の対象となる著作物には、例えば以下のものがなり得ます。
・音楽
・舞踊
・美術(絵画、版画、彫刻)
・建築物
・映画
・写真
・プログラム -
(3) ×
商標権は更新することにより永続的に発生させ続けることが可能です。一方で、著作権は、原則的に著作者が著作物を「創作した時点」から、著作者の死後70年で消滅します。
-
(4) ×
(2)についての回答で示しました通り、著作物には例えば、建造物や絵画、版画等が含まれており、立体物に権利が認められることは明らかだと思います。一方で、立体物に商標が認められるかと言うと、実は商標の世界には立体商標制度というものがあり、商品そのものや、商品の包装、サービスの提供時に一緒に使用する物等の立体物に商標権が認められることがあります。例えばこれまでにコカ・コーラのボトルや、ヤクルトの容器、ケンタッキー・フライド・チキンのカーネルサンダース人形などに商標権が認められています。
ご登録中のメルマガ配信の登録の変更・解除の手続きはこちらから